相続登記後、大正時代に設定された抵当権を抹消したケース

状況

源次が亡くなった、相続人は子の憲太及び孫の真人のみである(真人の父は源次の死亡より前に亡くなっているため、真人は源次の代襲相続人である)。

源次の相続財産として不動産、預貯金がある

遺産分割の内容は決まっており、不動産は真人、預貯金は憲太が取得する。

司法書士の提案&お手伝い

不動産の登記事項を確認したところ、大正時代に個人から借りた金銭の担保として抵当権が設定されていた。

貸主についてお二人に確認したところ、どういう方なのか全くわからないとのこと。

抵当権が設定されたままだと、今後売却するときや担保権を設定するときに障害となることをご説明し、不動産の名義を書き換えた後に抵当権の抹消手続をとることをご提案し、承諾いただけた。

抵当権の抹消に関して、抵当権者が行方不明であること、債権額、利息及び損害金の全額を供託する必要があること等の条件をご説明したうえで、当時の貨幣価値により債権額が少額であることから供託金も数千円に収まるであろうことをお伝えした。

結果

遺産分割のとおりに、預貯金の払い戻し、不動産の名義変更は無事に完了しました。

大正時代に設定された抵当権について抹消をするため、登記記録上の抵当権者の住所宛に配達証明付郵便で受領催告書を送達し、後日、不到達であることを確認のうえ、手続きを進めました。

供託金も予定通りの金額内でおさまり、手続きに着手してから数か月かかりましたが、抵当権を無事に抹消することができました。