自筆証書遺言を遺したケース

状況

健一は医者から余命宣告を受けており、体調も悪くなってきたことから、遺言を遺そうと考え、当事務所に相談された。当方もその日のうちに健一様宅に伺い、妹亮子も同席したうえで話を伺った。

財産として健一が経営している会社の株式、自宅(不動産)、預貯金及び現金等がある。昔から亮子が健一の会社を手伝っており、健一も今後の経営は亮子に任せたいとのこと。

健一は独身で両親は既に他界しており、相続人は亮子の他に弟が二人いるが、折り合いが悪く交流もない。健一は会社を任せる亮子に財産をすべて遺したいと考えている。

司法書士の提案&お手伝い

相続人が兄弟の場合、遺留分がなく、遺言により、亮子にすべての財産を遺すことができる旨を説明した。

公正証書にて遺言書を作成することをお勧めしたが、体調の悪化が気になったので、その場で自筆にてシンプルな遺言書を書いておき、後日、公証役場で遺言公正証書を作成することを提案した。健一も納得のうえ遺言書を書いた。その場で公証役場に連絡を入れ、事務所に帰ってから正式な公正証書の文面を作成、必要な書類の取得に取りかかった。

結果

数日後、健一様の容体が悪化し、昏睡状態になったと亮子様から連絡がありました。その後一週間ほど入院していましたが、残念ながら健一様は亡くなりました。

結果として公正証書での遺言書は作成できなかったのですが、シンプルとはいえ自筆証書遺言を遺していたため、最終的に遺産を亮子様が相続することができました。