遺言書が無効であったため、遺産分割協議をしたケース

状況

太郎が亡くなり、相続人である妻裕子が遺言書をもって来所された。遺言書は太郎の自筆のもので封がされていた。夫妻には子はなく、太郎の両親は既に他界しており、兄弟である次郎、三郎がいる。

遺言書には家庭裁判所での検認手続きが必要である旨を説明し、後日、申立書、必要書類を調えて申立てをした。

検認後に遺言書をもって来所いただき、確認したところ、財産すべてを妻裕子に相続させるとする内容であったが、遺言書に日付が書かれていなかった。

司法書士の提案&お手伝い

遺言書に日付がない場合、残念ながら遺言は無効であり、この遺言書をもって裕子様名義への相続登記はできない旨を説明。あらためて相続人間で遺産分割協議をする必要があることをお伝えした。

裕子としては他の相続人次郎、三郎にどう説明していいのかわからないとのことだったので、当方から他の相続人様に連絡をすることを提案。

遺言書が無効であったこと、無効ではあったが、太郎様の遺志としては妻裕子様にすべての財産を遺したいとする内容であったことを当方から次郎様、三郎様に丁寧に説明した。裕子様からも次郎様、三郎様に連絡していただいたところ、元々兄弟仲も良く、亡くなった太郎の遺志に沿おうということでご納得いただき、手続きに協力してくれることとなった。

結果

全ての財産を裕子様が取得するという内容の遺産分割協議書に、相続人全員にご署名、押印いただくことができ、無事に手続きを終えられました。手続き完了後も、裕子様から次郎様、三郎様に丁寧に感謝をお伝えしたこともあり、その後も関係は良好とのことです。