相続登記後に贈与をしたケース

状況

光一の母光江は地方で一人暮らしをしている。

光一は何十年も前に実家を離れ家庭をもっており、年に一度帰省する程度で、光江の身の回りのことは、近所で農業を営んでいる洋太(光一の従弟)にお願いしていた。

このたび光江が亡くなったので、手続のために来所された。

相続人は子である光一、礼子で、双方とも遠方に住んでいる。光江の遺産としては、自宅である土地建物、畑及び少額の預貯金があり、不動産に関しては売却して兄妹で分けることも考えたが、協議の結果、遺産はすべて長年甲の面倒をみてくれた洋太に贈与しようということになった。なお、光江の相続に関して相続税の申告は不要であった。

司法書士の提案&お手伝い

光江が遺言を遺していないため、光江名義の不動産を直接に洋太名義とする所有権移転登記をすることはできず、一度相続人の名義とした後に、相続人から洋太に贈与を原因とする所有権移転登記をする必要がある旨を説明した。

また畑に関しては、相続人名義とした後農業委員会に届出をし、その後の贈与の前提として、相続人から洋太への農地転用の許可書を取得する必要があることも伝えた。

そこで光一、礼子間で遺産分割協議をし、光一がすべての財産を取得したうえで、相続登記完了後に洋太への贈与の手続をするということとなった

結果

相続登記に必要な書類をすべて用意し、光一様名義への相続登記を申請しました。登記完了後、農業委員会に届出をした後に、地元の行政書士に連絡を取り、農地法の許可書の申請を依頼。後日、光一様から洋太様への贈与を原因とする所有権移転登記も無事に完了しました。

長年母の面倒を見てくれた洋太様への感謝を形で示すこともでき、光一様も満足しておられました。